武log

抜刀術は好きですか?そもそも、野球やサッカーと違って抜刀術って目にする機会もましてや実際にやる機会もほとんどないですよね。正確な人数はわかりませんが、全世界で抜刀術(居合)を稽古している人はおそらく数万人規模くらいだと思います。全世界の人口が81億くらいなのでめちゃくちゃマニアックな稽古事といえそうです。そんなマニアック稽古事といえる抜刀術ですが、私は大好きなんです。小、中学と剣道をやってましたが、以降は剣の道から離れていました。それから何十年も剣の世界から遠ざかっていましたが、ひょんなことから再び剣の世界に触れることになったのです。きっかけは、2014年8月にお誘いただいた試斬体験イベントでした。真剣で表畳を斬る体験ができるというイベントでした。その体験イベントにすっかりはまってしまい、そのイベントを主催していた居合道の道場に入門しました。入門してからも形の稽古はほとんどせず表畳を斬ることばかりやってました。最初は、斬ることそのものが楽しかったのですが入門して半年ほど経ったころには、はたしてこれでいいのだろうか?と思うようになってきました。斬れた、斬れなかったの表面的なことに虚しさを感じ初めました。また、道場の人間関係も微妙に煩わしくなってきて、休会してしまいました。

せっかく戻ってきた剣の道なのにこのような中途半端な結果になってしまったことがしばらく私の心をモヤモヤさせておりました。
私が今求道している「関口流抜刀術」に出会ったのは、そんな時でした。2016年11月に新宿で開催されたある武道関係のイベントのご招待受けました。主催の方とは、以前から知り合いだったので、久しぶりにお顔を拝見したと思い出向きました。そのイベントで初めて「関口流抜刀術」を生で見たのです。それまでは「関口流抜刀術」をまったく知りませんでした。

関口流抜刀術 山田利康師範の関口流抜刀術の形の演舞を見たときにものすごいショックを受けました。まさに雷にうたれたような衝撃でした。山田師範の形は朴訥で豪快。そして抜刀の速さは石火電光でした。「これだ!これしかない!この技を体に入れたい!」と思いました。理屈や理由なんてなく、とにかくこの流派をやりたい。門下に入りたいと思いました。今ここで、この流派を知ってしまったのは運命だ!とも思いました。イベントが終わって会場から退出される山田師範のもとへ飛んでいき、その場で入門のお願いをいたしました。その日から、私は「関口流抜刀術」の道に入り稽古者となったのです。

当道場に伝わる非常に重要な形が11本あります。入門したてではありましたが、師範が新宿のイベントで見せてくれた形の全貌を早く知りたくて、どこかにヒントとなる文献はないかと探しました。ネットで検索し、国会図書館にヒントになりそうな文献がありそうだということがわかり入手し、ざっくりと確認することができまた。その後、師範に基本の形11本の手順を教えていただくことができました。1年ほどかけて、出来る出来ないは別にして、11本全部の動きの手順を覚えました。

抜刀術の稽古は一人稽古がメインです。形に内包される理合を追い求めながら仮想敵に対して繰り返し行じていく地味な稽古となります。ある時、想像する仮想敵のイメージが自分に重なったのです。つまり、自分が自分に対して技を出している状態。「あぁ、私は私を斬っているんだな」と思いました。形稽古は、ただひたすらに己の身も弱い心も斬っていくことかと直感しました。<しかんたざ【只管打坐】>という禅宗の用語があるそうです。(※雑念をいっさい捨て去って、ただひたすら座禅を組み、修行すること。)であれば、私のやってることは<しかんざんき【只管斬己】>としてもよいのではないかと思いました。

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